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割れ窓理論 [犯罪心理学]

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割れ窓理論とは、建物の窓ガラスが割れたまま放置されていると、管理人がいないと思われ、凶悪な犯罪が増えるという理論。
「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名になりました。
ブロークン・ウィンドウ理論、壊れ窓理論ともいわれます。

割れ窓理論より、治安が悪化するまでには次のような経過をたどると予想できます。

建物の窓が壊れているのを放置すると、それが「誰も当該地域に対し関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出します。

すると、ゴミのポイ捨てなどの軽犯罪が起きるようになります。

その後住民のモラルが低下して、地域の振興、安全確保に協力しなくなり、それがさらに環境を悪化させます。

その結果、凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになってしまいます。

したがって、治安を回復させるには、一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる(ごみはきちんと分類して捨てるなど)ことが重要です。


例としては1台の自転車を放置したことで、さらなる放置自転車が増えます。
1個のゴミのポイ捨てが多くの不法投棄を招く等、そのままにしておくと「なにをやってもいいんだな」という無秩序の雰囲気が生まれ、犯罪が起こりやすくなってしまうのです。
米国ニューヨーク市ではジュリアーニ市長がこの理論を応用し、地下鉄の落書きなどを徹底的に取り締まった結果、殺人・強盗などの犯罪が大幅に減少し、治安回復に劇的な成果をあげたとされています。


日本でも割れ窓理論は実際に犯罪抑止に使われています。

2001年に札幌中央署(北海道警察札幌方面中央警察署)が割れ窓理論を採用し割れ窓を違反駐車に置き換えて、すすきの環境浄化総合対策として犯罪対策を行いました。
具体的には北海道内最大の歓楽街のすすきので駐車違反を徹底的に取り締まる事で、路上駐車が対策前に比べて3分の1以下に減少、併せて地域ボランティアとの協力による街頭パトロールなどの強化により2年間で犯罪を15%減少させることができました。
これを受けて各地の警察署からヒアリングなどが活発化しているそうです。


ビジネス界においても、割れ窓理論を適用して成功を収めている例があります。
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、ささいな傷をおろそかにせず、ペンキの塗りなおし等の修繕を惜しみなく夜間に頻繁に行うことで、従業員や来客のマナーを向上させることに成功しています。

ディズニーに行ったことがある方で気づいた方も多いと思います。
みなさんマナーが良いですよね。

今後行く機会がある方はぜひ壁なども見てみてください。
そう簡単には傷やペンキの剥がれているところは見つけられないと思います。




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タグ:心理学
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KIM

ご来訪とnice!をありがとうございました。
by KIM (2014-10-21 19:25) 

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