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ラトクリフ波止場の幽霊 [心理学]

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何の変哲もない古い倉庫

その倉庫はかつて宿屋であり、主人である司祭は何人もの宿泊客を殺害していた

その司祭が死後も亡霊となって倉庫の近辺に出没するらしい…

と、このような嘘の作り話を雑誌に載せ流した。

この結果、その地域ではいもしない司祭の亡霊の目撃情報が続出し始めました。

何のトリックも使わずに、人為的に幽霊を目撃させてみせた実験結果が得られています。


この実験は、事前情報が曖昧なものを幽霊と見せているという結果で、トップダウン処理と言います。


トップダウン処理とは知識や記憶、文脈、行為経験、動機などの事前情報が認識に影響することで、

例えば、カラスが鳴いているのを見て「カラスが鳴いている」と考えるのは、知識や記憶、経験から、今目の前にいる動物がカラスという名前で、「カーカー」と発する声がカラスという動物の鳴き声であるという事前情報から「カラスが鳴いている」と認識しているのです。

また、お土産などをもっていったときに「つまらないものですが」と言うのをよく聞くと思います。
しかし受け取る方は本当につまらないものだとは思いません。
これは、日本人にはそのように謙虚にものを言うのが礼儀であることを、もともと事前情報として持っているためです。

トップダウン処理では、目の前のできごとを、知識や記憶からできる期待や予測に、うまく合うようにしてしまいます。

これらの結果から「幽霊」がでるのではないかと思っている人ほど、何でもないものが「幽霊」に見えてしまうということですね。

幽霊がいないという証明にはならないですが、なんでもないものが幽霊に見えてた人は多いのではないでしょうか。




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タグ:心理学
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